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障害年金制度

障害年金とは

障害年金は、病気やケガによって日常生活や労働などに支障が出た場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。

障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があり、病気やケガで初めて医療機関を受診した日(これを「初診日」といいます)に加入していた年金制度によって、支給される年金の種類が決まります。
また、障害年金を受け取るためには、年金保険料の納付状況など、一定の要件を満たしている必要があります。

障害年金制度のイメージイラスト

このページでは、障害年金の制度について「初診日」や「障害認定日」「受給要件」「年金額」などのポイントを詳しく解説しています。以下の目次から気になる項目へお進みください。

初診日について

初診日」は、障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。

受給できる障害年金の種類などは、初診日を基準に決まるため、初診日の確定は障害年金の請求において最も重要なポイントです。

初診日の具体例

上記の「2」と「4」については、特に注意が必要です。
ご自身が初診日だと考えていた日が、実際には初診日と認められないケースは多く見られます。

初診日の証明は、原則として「受診状況等証明書」という日本年金機構の所定様式にて行います。

初診の医療機関が判明していても、カルテの保存期間が過ぎていたり、医療機関がすでに閉院していたりすると、初診日の証明がスムーズに進まないことがあります。
最悪の場合、請求手続ができなかったり、手続を行っても「初診日が確認できない」との理由で却下されることもあります。

カルテに代わる客観的資料の収集や、初診日を特定するための申立て方法には専門的な知識が求められます。
お困りの際は、経験豊富な当事務所までお気軽にご相談ください。

障害認定日について

障害認定日」とは、障害の状態を定める日のことで、原則として初診日から起算して1年6か月を経過した日をいいます。
ただし、1年6か月を待たずに症状が固定した場合には、その症状固定日が障害認定日となります。

障害年金は、障害認定日以降でなければ手続ができず、受給権の発生も障害認定日からとなります。
なお、1年6か月が経過する前に症状が固定し、障害認定日が早まるケースを「障害認定日の特例」といいます。

「障害認定日の特例」の具体例

以下のようなケースでは、症状固定とみなされ、1年6か月を待たずに障害認定日が決まります。

傷病が治った状態 障害認定日 障害等級の目安
咽頭全摘出 咽頭全摘出日 2級
人口骨頭、人工関節を挿入置換 挿入置換日 上肢3大関節又は下肢3大関節に人工関節を挿入置換した場合、原則3級
切断又は離断による肢体の障害 切断又は離断日(障害手当金は創面治癒日) 1肢の切断で2級、2肢の切断で1級ー下肢のショパール関節以上で欠くと2級、リスフラン関節以上で欠くと3級
脳血管障害による機能障害 初診日から6か月経過した日以後
在宅酸素療法 開始日(常時使用の場合) 3級(常時(24時間)使用の場合)
人工弁、心臓ペースメーカー、植え込み型除細動器(ICD) 装着日 3級
心臓移植、人工心臓、補助人工心臓 移植日又は装着日 1級(術後の経過で等級の見直しがある)
CRT(心臓再同期医療機器)、CRT-D(除細動器機能付き心臓再同期医療機器) 装着日 重症心不全の場合は2級(術後の経過で等級に見直しがある)
胸部大動脈解離や胸部大動脈瘤により人工血管(ステントグラフトも含む)を挿入置換 挿入置換日 3級(一般状態区分が「イ」か「ウ」の場合)
人工透析療法 透析開始日から起算して3か月を経過した日 2級
人工肛門造設、尿路変更術 造設日又は手術日から起算して6か月を経過した日 左記のいずれか1つで3級
新膀胱造設 造設日 3級
遷延性植物状態 状態に至った日から起算して3か月を経過した日以後 1級

障害年金の受給要件

障害年金は、初診日においる年金制度の加入状況に応じて「障害基礎年金」と「障害厚生年金」に分けられます。
「障害基礎年金」と「障害厚生年金」のそれぞれの年金は、次の「1」~「3」の要件を全て満たす方が受給できます。

障害基礎年金

1.障害の原因となった病気やケガの初診日が次のいずれかの間にあること

  • 国民年金加入期間
  • 20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満の方で年金制度に加入していない期間
    ※老齢基礎年金を繰上げて受給している方を除きます。

20歳前に初診日のある障害について(20歳前障害)

国民年金は国内に居住する20歳以上60歳未満の人が強制加入となっていますので、被保険者になることができない20歳前障害については、「無拠出の障害基礎年金(所得制限あり)」が支給されます。

2.初診日の前日において、次のいずれかの保険料の納付要件を満たしていること

  • 初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること
  • 初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないこと
    ※初診日が令和8(2026)年4月1日前にあり、かつ、初診日において65歳未満であることが必要です。

初診日の前日」時点での要件が必須となるため、初診日後に保険料納付や免除申請を行っても要件を満たしません!

3.障害の状態が、障害認定日または20歳に達したときに、障害等級1級または2級に該当していること

障害等級の詳細については、「障害認定基準」のページをご確認ください。
障害認定日時点での障害の状態が軽かった場合でも、その後障がいの状態が重くなった場合には、障害基礎年金を受給できる可能性があります。詳しくは「請求手続方法」のページをご覧ください。

障害厚生年金

1.厚生年金保険の被保険者である間に、障害の原因となった病気やケガの初診日があること

会社員や公務員の扶養配偶者について(国民年金の第3号被保険者)

障害厚生年金の対象となるのは、「ご本人が厚生年金に加入していた期間」に初診日がある場合です。会社員や公務員の扶養配偶者は、国民年金の第3号被保険者であるため、この期間内に初診日がある場合は障害厚生年金ではなく障害基礎年金の対象となります。

2.初診日の前日において、次のいずれかの保険料の納付要件を満たしていること

  • 初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること
  • 初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないこと
    ※初診日が令和8(2026)年4月1日前にあり、かつ、初診日において65歳未満であることが必要です。

初診日の前日」時点での要件が必須となるため、初診日後に保険料納付や免除申請を行っても要件を満たしません!

3.障害の状態が、障害認定日に、障害等級1級から3級のいずれかに該当していること

障害等級の詳細については、「障害認定基準」のページをご確認ください。
障害認定日時点での障害の状態が軽かった場合でも、その後障がいの状態が重くなった場合には、障害厚生年金を受給できる可能性があります。詳しくは「請求手続方法」のページをご覧ください。

障害年金の金額(令和7年度)

障害厚生年金 障害基礎年金
1級 報酬比例の年金額×1.25
配偶者の加給年金額
1,039,625円
子の加算額
2級 報酬比例の年金額
配偶者の加給年金額
831,700円
子の加算額
3級 報酬比例の年金額
(最低保障額 623,800円)
なし
障害手当金 報酬比例の年金額×2
(最低保障額 1,247,600円)
なし

※障害厚生年金の1級・2級に該当する場合は、障害基礎年金も合わせて支給されます。

※「報酬比例の年金額」は厚生年金加入期間中の賃金額と加入期間によって決まります。

※昭和31年4月1日以前生まれの方の障害年金額は若干異なりますので詳しくはお問合わせください。

配偶者の加給年金額 239,300円 障害厚生年金2級以上に加算
65歳未満であること
子の加算額 1人につき 239,300円
3人目から1人につき 79,800円
障害基礎年金2級以上に加算
・18歳になった後の最初の3月31日までの子
・20歳未満で障害等級1級・2級の障害の状態にある子

障害年金額モデルケース

障害年金の支給額は、次の要素で決まります。

  • 初診日時点で加入していた年金制度
  • 障害の程度(障害等級)
  • 家族構成(加算対象者の有無)
  • 年金加入歴(厚生年金の被保険者期間と報酬額)

障害基礎年金と障害厚生年金で年金額は大きく異なりますので、それぞれの場合でのモデルケースをご紹介いたします。
(以下は、いずれも令和7年度の支給額モデルです。)

1.障害基礎年金の支給額モデル

障害の程度(障害等級)と家族構成(子の有無)により、一律に年金額が決定されます。国民年金の納付期間に応じた支給額の差はありません。(昭和31年4月1日以前に生まれた方の支給額は若干異なります。)

ケース1 2級 配偶者・子なし
支給額(年額):831,700円 障害基礎年金2級のみで加算なし
ケース2 2級 配偶者あり・子1人
支給額(年額):1,071,000円 障害基礎年金2級+子の加算1人 障害基礎年金には配偶者加算なし
ケース3 1級 配偶者あり・子1人
支給額(年額):1,278,925円 障害基礎年金1級+子の加算1人 1級は2級の25%増し、等級によらず子の加算額は同じ

2.障害厚生年金の支給額モデル

障害の程度(障害等級)や家族構成に加えて、年金加入歴(被保険者期間と報酬額)によって支給額の個人差がとても大きいです。
被保険者期間と報酬額は、障害認定日(原則として初診日から1年6か月経過した時点)までの加入歴により判断されます。

ケース1 3級 家族構成を問わず 厚生年金加入歴・短い 報酬額・低い
支給額(年額):623,800円 障害厚生年金3級の最低保障額のみで加算なし
ケース2 2級 配偶者・子なし 厚生年金加入歴・短い 報酬額・低い
支給額(年額):約110~120万円 障害基礎年金2級+報酬比例部分(約30~40万)
ケース3 2級 配偶者・子なし 厚生年金加入歴・長い 報酬額・高い
支給額(年額):約150~200万円 障害基礎年金2級+報酬比例部分(約70~120万)
ケース4 2級 配偶者あり・子1人 厚生年金加入歴・短い 報酬額・低い
支給額(年額):約160~170万円 障害基礎年金2級+子の加算+報酬比例部分(約30~40万)+配偶者加算
ケース5 1級 配偶者あり・子1人 厚生年金加入歴・短い 報酬額・低い
支給額(年額):約185~200万円 障害基礎年金1級+子の加算+報酬比例部分(25%増し)+配偶者加算

年金生活者支援給付金

障害年金を受給されている方が「年金生活者支援給付金」を受け取るためには、以下の要件をすべて満たしている必要があります。

  1. 障害基礎年金を受給していること
    • 障害等級1級または2級の方が対象です。
    • 障害厚生年金1級または2級を受給している方も、障害基礎年金を併せて受給しているため、対象となります。
    • ただし、障害厚生年金3級のみを受給している方は、障害基礎年金の対象外であるため、年金生活者支援給付金は支給されません。
  2. 前年の所得が一定額以下であること
    • 基準額は「4,721,000円 + 扶養親族の数 × 38万円」で計算されます。
    • 扶養親族の種類により加算額が異なります。例えば、70歳以上の同一生計配偶者や老人扶養親族は48万円、特定扶養親族や16歳以上19歳未満の扶養親族は63万円が加算されます。
    • 障害年金などの非課税収入は、この所得判定には含まれません。

支給額(令和7年度)

1級 月額6,813円
2級 月額5,450円

注意点

  • 年金生活者支援給付金を受け取るには、「年金生活者支援給付金請求書」の提出が必要です。
  • 「年金生活者支援給付金請求書」の記載はとても簡単です。
  • 通常は、障害年金の手続時に年金生活者支援給付金の手続も併せて行いますので、手続漏れは原則ありません。
  • 障害年金の支給決定通知書とは別に、年金生活者支援給付金の支給に関する通知書が届きます。(障害年金より遅れて届きます。初回の入金も障害年金より遅れます。)
  • もし、障害年金が2級以上に決定しなかった場合には、年金生活者支援給付金の「不該当通知書」が届きます。
  • 年金生活者支援給付金も障害年金と同様に、2か月に1回、偶数月の15日に直近2か月分が支給されます。
  • 一度手続きを行えば、翌年度以降は所得要件を満たしている限り、自動的に支給が継続されます。
  • 所得要件を満たさなくなった場合や、日本国内に住所がない場合などは、年金生活者支援給付金の支給対象外となります。